エモさの暴力で死ぬ 映画『リンダリンダリンダ』
こんにちは、インターネットです。
今回紹介する作品は、日本の青春映画の名作、エモーショナルの暴力、ノスタルジーの大渋滞とでもいいましょうか。
ネタバレを含みますので、ご注意を。
高校の文化祭のためにバンドを組んだ女子高生たち。
ある仲違いをきっかけにボーカルが抜け、
その埋め合わせに偶然通りかかった韓国からの留学生を誘う。
本番まで残された時間は二日、彼女たちの青春が始まる。
作品全体に漂う、ゆったりというよりはだらっとした時間の流れ。
決してキラキラの学生時代とは言えない様子。
必死に練習する描写はなく、思い思いケータイをいじったり、おしゃべりばっかり。
ただ、その一つ一つが、リスナーの甘酸っぱくて鼻の奥がツンとしてしまうような
ノスタルジー観をつついてくるのです。
青春は、決してきらきらしたものではないと、誰かが言っていたのを思い出しました。
人間関係、勉強、閉鎖的な狭い世界、将来。
そんな高校生活の中で、それでも、緩やかな幸せを、大切に温めるのです。
「結局、こういう時のこと(なんでもない日常)が大人になっても覚えてる。本番は夢中でやっちゃうからさ。」
望が屋上で言った言葉です。
この言葉がこの作品の全てではないでしょうか。
私たちをノスタルジーに誘うのは、いつでも、
何気ない当たり前だったことなんですね。
監督の画作りには脱帽です。とても魅力的!と言えるカットはなく、常に引き気味。
ロングカットが多めで、一貫してスローペースを表現する。
最後のライブも、決して観客全員が立ち上がり盛り上がるわけではない。
エモの暴力に打ちひしがれる私たちの邪魔を一切しない手法。
大変心地よかったです。
光ってました、登場人物たち。クスッと笑ってしまうソンちゃん。
まさにJK恵。笑顔素敵過ぎ響子。一番好き望。あんた、いい人すぎかよ小山先生。
最後、ずるすぎるよ、ブルーハーツ。
カセットテープなんて無縁な世代の私なのに、なんでだろう、
その時代に生きてたかのような気持ち。感涙。
「写真には映らない美しさ」まさに、高校時代のことのよう。
いつしかの自分の文化祭を思い出してしまう作品です。
エモの暴力、おすすめです。
ぜひみてください。
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