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卒業間近の「あの」気持ちの辞書『夜のピクニック』

あさひです。

今日紹介するのは夏の青春小説の金字塔『夜のピクニック

 

夜のピクニック (新潮文庫)

夜のピクニック (新潮文庫)

 

 

 高校生活最後のイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜通し80キロを歩くという北高伝統の行事だった。「同じクラスの異母兄弟、西脇融と言葉を交わせたら」密かな誓いを胸に甲田貴子は歩行祭に臨む。

 

最後の行事は「歩く」こと。もうただひたすら「歩く」。

単純な行為の最中、彼らは黙々と考える、思い出す。

過去のこと、今のこと、これからのこと。

考えているうちにみんな「卒業」が近いことを意識する。

 

あのとき感じてた漠然とした寂しさとか

飲み込みきれなかった感情

この本はそういうみんなが感じているはずなのに

言葉にできなかったことを教えてくれる。

 

だからなのか、息がつまるような迫力も激しい恋愛もないのにページをめくる手が止まらない。

青春時代に感じたあの「エモさ」

その答え合わせをしているようで心が揺さぶられる。

 

自分の感情に鈍くて、言葉にするのが下手くそで、意味もなく周りと衝突して。

でも振り返るとこんなにも愛しい時代。

 

あの日を思い出したくなったら、夜のピクニックに出かけよう。

 

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